寒い地域で昔から伝わる冬場の美味しい漬物に大根の麹漬けがあります。
最近は時短で簡単に漬けられる塩麹の漬物に人気がありますが、なま麹で一からじっくりと漬け、大根とニシンの旨味が加わった麹漬けと食感や味わいで比較になりません。
わが家に伝わるおふくろの味、丸大根とみがきニシンの麹漬けの作り方を写真付きで詳しく紹介します。
丸大根とみがきニシンの麹漬けの作り方
わが家では、おふくろが丸大根の収穫時期になる12月になると、丸大根とみがきニシンの麹漬けの準備を始め、お正月用の漬物料理として子供の頃から親しんできました。
私の家内も好んで食べていましたので、おふくろと一緒になって麹漬けを漬け、作り方を覚えてくれました。
おふくろが居なくなった今では、私と家内で毎年欠かさず、12月になると丸大根とみがきニシンの麹漬けを作っています。
家内が塩麹で試した事がありますが、見た目は同じでも、しょっぱい、大根がらい、みがきニシンを入れられない等、味の深みや旨味、食感はまるで違う出来栄えでした。
塩麹の場合、既に麹の発酵が進んでいますので、短期間に塩麹の味を染み込ませる食材には身が柔らかくなったり甘みが出て美味しいですよね。
魚の塩麹漬けや唐揚げ用の鶏肉を半日ほど塩麹に漬け込む、一夜漬けの漬物を塩麹で作る等でしょうか。
麹漬けの場合、大根の水分を抜く仮漬けをした後に本漬けでニシンや麹と一緒に漬け込みます。
本漬けから2~3週間後、なま麹から徐々に発酵が進んで、ニシンや大根にじっくりと馴染み食べごろになります。
同じ大根とニシンの麹漬けでも、地域や家庭によってはキャベツや昆布を入れ、彩りに人参、風味にゆずの皮等を入れる方もおられます。
わが家の丸大根とニシンの麹漬けでは、赤唐辛子を少々入れる程度で他には何も入れません。
麹漬けになった大根の素朴な味に慣れ親しんでいるからです。
丸大根とニシンの麹漬け!漬け方レシピ
わが家では、正月用に30kg前後、大量に漬けます。
少量でも味が変わらない漬け方が出来る様に画像たっぷりでお伝えします。
丸大根とニシンの麹漬けが食べごろになるまでの漬け方手順
- 麹漬け材料
- 材料の下ごしらえ
- 丸大根の仮漬け(塩漬け)作業
- 丸大根とニシンの麹漬けの本漬け作業
- 食べごろ
麹漬け材料
丸大根:1ケ当たりの重さの目安 約(800g~1.5kg)
通常の長ダイコンでも可能ですが、大根の種類も多く食感が変わりやすいので毎年、丸大根で漬けています。
ニシン:硬く乾燥したみがきニシン(丸大根 1ケに1匹程度)
値段の高い脂ののったソフトなニシンは生臭ささが抜けないので、値段も手頃な硬く乾燥したみがきニシンが最適です。
塩:あら塩(皮をむいた大根総量の3~5%)
塩辛くなるより、3%程の薄味に好みで醤油を少量付た方があっさりと美味しいです。
麹:なま麹(市販品)(皮をむいた大根総量の3~5%)
わが家では3~4%程、適量に加えています。
スーパー等で200g入のなま麹が売られています。
なま麹200gで皮をむいた大根総量5~6kg位です。
麹漬け材料の下ごしらえ
水洗いをして水切り程度に干します。
皮を画像の様に厚くむき、丸大根の総量の重さを計ってメモしておきます。
上下に半円に切り8等分位に扇状に切リます。
厚み0.5~1センチで5~6センチの食べやすい大きさに切リます。
薄く、小さく切ると大根の食感が無くなります。
大きめでも柔らかいので食べやすいです。
みがきニシンは本漬けの前日位に米のとぎ汁に一晩つけておきます。
一晩つけ終わったみがきニシンのうろこを洗い落とすか皮をめくり、4等分に切ります。
材料の下ごしらえは、丸大根とみがきニシンだけのシンプルな作業です。
丸大根の仮漬け(塩漬け)作業
丸大根の塩漬けで、大根の水分を抜き、塩味を付けます。
仮漬けの前に漬物容器やフタを焼酎で拭いて消毒しておきます。
漬物容器の底に塩を撒きます。
大根と塩を何層にも交互に漬けます。
塩は本漬け用に少量残しておきます。
落し蓋と重石を載せ、新聞紙、ナイロンカバーで覆い紐で括ります。
重石は大根20kgに○25の重石、大を2つが目安です。
3日~4日経過すると水が上がってきます。
水が充分上がってくれば本漬け作業に入ります。
丸大根とニシンの麹漬けの本漬け作業
塩漬けから大根を取り出します。
塩漬けから塩水を取り出します。
大根、ニシン、なま麹を絡ませながら何層にも分けて漬けます。
その時、好みでニシンに本漬け用に少量残しておいた塩を絡ませます。
麹は生のままほぐして適量を撒きます。
塩漬けから取り出した塩水を全体が漬かる程度(ひたひた)に入れます。
重石を仮漬け時の半分に減らします。
大根20kgに○25の重石、大を1つが目安です。
本漬け後の保管場所と塩加減の調整
保管場所は雨の当たらない寒い室外が最適です。
寒い室外の方が発酵がゆっくり進み、旨味が増します。
発酵食品だけに臭いもあります。
10日~15日後に塩加減と大根の漬かり具合を確認します。
大根をあじ味して、味が薄ければ適量の塩を入れて調整します。
辛すぎては調整できませんので薄味が良いと思います。
上下で漬かり具合が変わらない様、底までよくかき混ぜておきます。
美味しくなる食べごろ
食べごろは本漬けから2~3週間後から酸っぱくなるまでの
2~3週間です。
保管場所の温度や気象条件によっても食べごろは影響します。
寒い冬ほど美味しくできあがります。
底までよく混ぜ、食して塩っぱく感じれば、未だ漬かりが浅いです。
甘味、旨味があれば、食べごろです!
食べる分だけ洗わずに、麹を取って食卓に出します。
大根に透明感と光沢があり、ニシンも油が抜けて柔らかく頂けます。
麹漬けを取り出すときに、手から肘付近までニシンの油と発酵した麹の匂いがきつく付きます。
一度洗った位では匂いは取れませんが、ゴムの長手袋をすれば匂いは防げるでしょうが私は気にしていません。
丸大根とみがきニシンの麹漬けの作り方のまとめ
初めての方でも丸大根の麹漬けが作れる様に画像たっぷりで作り方をお伝えしました。
12月に入ると店頭に丸大根が並びます。
正月用として作るには12月10日頃には準備を始めたいですね!
丸大根とニシンの麹漬けは正にわが家の味、おふくろの味です。
母が作った麹漬けを私や家内と孫が食べ、家内が作った麹漬けを私の子供や孫が美味しそうに食べています。
次世代にも受け継がれる事間違いなしです。
わが家では全員が大好きで、おふくろの味を知っている兄弟や親戚、ご近所におすそ分けしています。
30kgが直ぐに無くなり、年明けに再度漬ける事もある程人気があります。
是非、この時期だけの風物料理、丸大根とニシンの麹漬けに、人参やゆずの皮等を入れてオリジナルの麹漬けを作り、わが家の味を作りだしててみて下さい!
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